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2023年04月25日
掌編小説
曙光
いつもと変わらぬ感覚だった。少し寝すぎたかなと思いながら、ベッドを降りようとしたが下りられない。暫くすれば起きられるだろうと呼吸を整えてみた。
空手の試合で相手を攻撃する前の気合だ。
田中賢治の上段正拳突きを避けた者は数少なかった。相手が攻撃をし掛けてくる前の一瞬の間、後の先。その正拳突きを避け見事一本蹴りを入れられ負けた男が居た。
沖田門次郎。後に賢治が作った組織の一番隊長として恐れられた少年だった。
その少年は、暫くして外人部隊に消えた。
「賢治さん。日本に居ても退屈で仕方ないです。」言語明瞭意味不明の言葉と、童顔の爽やかな笑顔を残し、日本から消えた。
又起きようとして起きられないのは、体を押さえているものが有るのに気付いた。車の安全ベルトだった。駐車した車の中で寝ていたのだ。
登庁し決められた場所に駐車して、暫く目を瞑った積りが深い眠りに落ちたようだ。
子供や高齢者が熱中症で亡くなられるのはこれか、と冷静に納得した。
門次郎の死亡の便りを受け取った時はそうではなかった。流れる涙が、「沖田門次郎さんは勇敢に亡くなられました。戦死した時の連絡の相手が貴方でしたのでお知らせします。」と短く書かれていた通知文を濡らした。門次郎は母子家庭、その母も故人であった。
後に外務省から得た情報では、外人部隊の小隊長として活躍していた門次郎は、不利な戦況の中、たった一人、多勢の敵軍の中に突撃していき消えたそうだ。賢治はいつか門次郎が帰ってくるのではと思っている。
ゆっくりと体をずらし、ベルトを外して車外に出て、早朝の空気を吸ってみた。曙光が目を射てきた。扉を開け、階段をゆっくりと上がり、執務室を開けた。
何も変わらぬ景色が見えた。
・主な出来事(門 日誌)
・津名高校13回生同窓会。挨拶。津名ハイツ
50名以上が集まられ盛会でした。
80歳。凄いパワーでした。
・面談
・URL㈱井植社長他
・大会出場報告
・卓球バレー・わいわいサークル。のじぎく杯優勝、おめでとうございました。
・全国大会第3位・中学ソフトテニス。満永瑛人(一宮中)君。おめでとうございました。さらなるご活躍を期待しています。
・企画情報部歓送迎会。夢舞台きとら